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オ−ストラリア・ヴィクトリア州のドロセラ・アルクチュリ

Colin Clayton
(訳)服部 正人

ドロセラ.アルクチュリ(Drosera arcturi)(Alpine Sundew)は、球根ドロセラではありません。アルクチュリという名はArctic(極寒の)という言葉に因みます。この言葉どおり、ヴィクトリア州、タスマニア島、ニュ−ジ−ランドの寒冷な場所に自生しています。(裏表紙の写真参照)
この魅力的なドロセラは、嘗てはヴィクトリア州の高山及び亜高山帯にごく普通に自生していましたが、家畜の放牧やスキ−リゾ−トや水力発電所の建設や、標高の高い集落での道路や下水道整備により、残念ながら自生地は殆ど無くなってしまいました。しかし、今でもレイク・マウンテン(メルボルンから120キロ)と、バウバウ高原、フォ−ルズ・クリ−クのプリティ−・バレイでアルクチュリを見ることが出来ます。
アルクチュリは、もうせんごけの中でも最も原始的なものの一つであると思われます。ヴィクトリア州の自生地では、残雪のあるような高原の小川に生える水苔群落に生え、その水苔群落の上方の臨界地点、水苔が弱まり枯れ始めているような場所を好むらしい。この地点に入り込んで生育している植物はアルクチュリだけなので、いとも簡単に見つけることが出来ます。
この高層湿原を流れる小川の中にできたピ−トの堆積物の斜面にも、くっついて生えています。ここでアルクチュリはイネ科植物やスゲと一緒に上手く共存しています。アルクチュリは高山、亜高山帯に自生し、ヴィクトリア州の自生地は標高約1200メ−トル以上の地点で、1年間のうち1〜4ヶ月間は雪に覆われてしまうような場所です。
アルクチュリの栽培は非常に簡単で、常に腰水して多湿に管理してやれば良くできます。けれど、乾燥させると忽ち枯れてしまうでしょう。コンポストには生水苔が最適です。けれども、アルクチュリが水苔の成長に負けて、埋もれて枯死する恐れがあるので、時々水苔をトリミングしてやります。冬になると植物体は枯れ(秋口には枯れ始める)ますが、春になるとまた芽が出てきて成長を始めます。そして、夏に花茎を立ち上げ、頂部に白い花を一つ咲かせます。
殖やし方は、実生、株分けはもちろん、葉挿し、根伏せもできます。


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